TRAINING
企業知財担当者・弁理士向け
知財を、経営と数字の言葉で説明するための研修
「その特許は、会社の利益にどうつながっているのか」
「研究開発に投じた金額に見合う価値があるのか」
「知財部門の活動は、企業価値の向上にどのように貢献しているのか」
知財について経営者や財務部門からこのように問われたとき、特許件数や技術的な優位性だけでは、十分に答えられないことがあります。
知財を経営判断へつなげるには、その知財がどの事業を支え、売上、利益、キャッシュフロー、競争優位、事業リスクにどう関係しているのかを整理する必要があります。
当研究所では、企業の知財担当者や弁理士を対象として、知財を事業と財務の数字で検討し、経営者や他部門へ説明するための会計・ファイナンス研修を行っています。
研修前にストーリー形式の教材を読み、知財とファイナンスが交わる場面を理解する。
研修当日は、必要な知識を学び、架空事例または自社の数字を使って考え、参加者同士で議論する。
知識を聞くだけで終わらず、実際の判断と説明へつなげる研修です。
このような課題はありませんか
- 経営陣から「知財を活用して企業価値を高めてほしい」と求められたが、何から検討すればよいか分からない
- 知財への投資について、事業部門や財務部門から数字による説明を求められた
- 研究開発費を多く使った技術ほど価値が高いと考えてよいのか、判断できない
- M&Aや知財デューデリジェンスで、知財上の問題を事業計画や買収価格へどう反映するのか分からない
- DCF法、割引率、資本コストなどの言葉は聞いたことがあるが、知財との関係を説明できない
- 出願件数や登録件数以外の指標で、知財部門の成果を経営へ説明したい
本研修の目的は、知財担当者を経理や企業価値評価の専門家にすることではありません。
知財担当者が、知財と事業・財務の関係を理解し、必要な数字を確認し、自分の専門外の立場も踏まえて説明できるようになることを目指します。
本研修の3つの特徴
1.物語で理解する
事前教材として、全15話の連載「ストーリーで学ぶ 知財ファイナンス」を使用します。
この連載では、知財担当者が、経営者、事業部門、財務部門、外部専門家と関わりながら、会計・ファイナンスを学んでいく過程を描いています。
計算式や専門用語から入るのではなく、実務で起こり得る場面から学ぶことで、知財とファイナンスの関係をイメージしやすくします。
事前教材として使用する全15話は、どなたでもお読みいただけます。
2.数字を使って考える
レクチャーを聞くだけでなく、架空企業または研修先企業の数字を使って演習します。
前提が変われば、売上、利益、キャッシュフローや事業価値がどう変わるのか。特許に関するリスクを、事業計画や経営判断へどう反映するのか。
実際に数字と前提を確認しながら考えます。
3.それぞれの立場から考える
本研修は知財担当者を主な対象としていますが、所属部門を問わず参加できます。
演習では、一つの正解を覚えるのではなく、与えられた情報から判断し、その理由を説明します。
知財担当者だけで参加する場合も、事業、研究開発、経理・財務、経営企画など、他部門から見た論点を取り上げます。
複数部門で参加する場合は、それぞれの立場による見方の違いを確認できます。
目的に応じて選べる3つの研修
| 研修 | 標準時間 | 主な形式 | 使用する数字 |
|---|---|---|---|
| 90分・基礎講義 | 90分 | レクチャー中心 | 簡単な設例 |
| 3時間・ケース演習 | 3時間 | 演習・議論中心 | 架空企業 |
| 半日・1日・自社適用研修 | 半日または1日 | 演習・議論中心 | 自社または加工した自社情報 |
90分・基礎講義
会計・ファイナンスの基本を理解する研修です。
知財担当者が押さえておきたい考え方を、ストーリーの場面と結び付けながら解説します。
主な内容
- 利益とキャッシュフローの違い
- 研究開発費と技術価値の違い
- 事業価値、企業価値、株式価値の関係
- DCF法の基本
- 割引率と事業リスク
- 知財と企業価値のつながり
初めて会計・ファイナンスを学ぶ方、大人数の社内研修、講演形式で全体像を学びたい場合に適しています。
3時間・ケース演習
架空企業の数字で判断する研修です。
架空企業の事業計画、財務数値、特許情報などを使い、知財に関する判断を数字で考えます。
演習テーマの例
- 研究開発費3億円を使った技術には、3億円の価値があるのか
- 特許数が多い事業は、本当に高く評価できるのか
- 5年後の売上計画を、どのような資料から検証するのか
- 特許の対象国、残存期間、代替技術などのリスクを、事業計画やDCFへどう反映するのか
- 特許を売却する、ライセンスする、保有し続けるという選択肢を、どのように比較するのか
- 知財部門の成果を、どのような指標で測るのか
参加者は、与えられた情報を確認し、前提を置き、簡易的な計算や比較を行ったうえで、判断とその理由を説明します。
研修先企業の機密情報を使用せず、実践的な演習とディスカッションを行いたい場合に適しています。
半日・1日・自社適用研修
自社の知財と事業・財務の関係を整理する、推奨形式の研修です。
研修先企業の事業、知財及び財務に関する情報を使い、次のような内容を整理します。
- 対象となる技術・特許と事業の関係
- その知財が支えている製品・サービス
- 売上、利益、キャッシュフローへの影響
- 顧客に選ばれる理由や競争優位との関係
- 将来の事業計画で置いている前提
- 知財に関する主要な事業リスク
- 知財投資の成果を測る指標
- 経営へ説明すべき事項
- 今後追加で収集・確認すべき情報
知財担当者だけでの実施にも、事業、研究開発、経理・財務、経営企画など、他部門の方を含む実施にも対応します。
参加者の所属部門や人数に応じて、演習とディスカッションの内容を調整します。
1日で集中的に行う方法だけでなく、テーマを分けて複数回実施することもできます。
自社情報の使用範囲は調整できます
自社適用研修でも、すべての財務資料をご提出いただく必要はありません。
研修目的と社内の情報管理方針に応じて、次のいずれかを選べます。
- 公開情報を使用する
- 会社名、製品名、実際の金額を伏せた加工情報を使用する
- 実際の事業計画、財務数値、知財情報を必要な範囲で使用する
実額の代わりに、比率や指数を使うこともできます。
使用する資料、参加者の範囲及び研修後の資料の取扱いは、事前打ち合わせで確認します。
機密性の高い資料を、一般公開された問い合わせフォームへ添付していただく必要はありません。
研修と正式な知的財産権価値評価は異なります
自社適用研修では、知財と事業・財務数値の関係、主要な前提、リスク及び成果指標を整理します。
研修内で行う計算は、理解と議論のための簡易的な試算です。
正式な知的財産権の評価額や評価報告書が必要な場合は、知的財産権価値評価業務として別途対応します。
研修の基本的な流れ
1.事前打ち合わせ
参加者、研修目的、現在感じている課題、希望時間、使用できる情報の範囲を確認します。
2.ストーリーによる事前学習
研修テーマに対応する「ストーリーで学ぶ 知財ファイナンス」を読み、簡単な事前コメントを提出していただくことを基本とします。
標準的な質問は次の3問です。
- 最も印象に残った場面
- 分かりにくかった点
- 自社との共通点または研修で議論したいこと
事前コメントは試験や受講者評価には使用しません。講師が参加者の理解や問題意識を把握し、当日の説明へ反映するために使用します。
単発研修では、目的に応じて読む話を指定します。全15話を使用するのは、総合研修や複数回研修が中心です。
講演形式、参加人数、準備期間などに応じて、事前課題を設けない構成にも対応します。
3.レクチャー・演習・ディスカッション
事前コメントを踏まえて、必要な知識を解説します。
その後、架空事例または自社の数字を使って演習し、参加者同士で検討結果と判断理由を議論します。
講義、演習、ディスカッションの時間配分は、研修目的に応じて調整します。
4.振り返り
研修で分かったこと、残された課題、追加で必要な情報、今後社内で検討すべき事項を整理します。
連載15話と研修テーマ
| 区分 | 対応する話 | 主なテーマ |
|---|---|---|
| 導入・財務基礎 | 第1~4話 | 知財と企業価値、利益とキャッシュフロー、研究開発費、事業の収益性 |
| M&A・知財DD | 第5~9話 | 知財DD、買収価格、事業計画、DCF法、割引率、知財リスク |
| 知財取引 | 第10~12話 | 特許価格、売却、ライセンス、継続保有、取引条件 |
| 知財経営 | 第13~15話 | 事業成長、成果測定、知財投資、企業価値、ガバナンス |
研修目的に応じて、必要な話とテーマを組み合わせます。
研修を通じて目指すこと
研修後、参加者が次のような視点を持てる状態を目指します。
- 特許件数や技術の優秀さだけで、知財の価値を説明しない
- 研究開発費や取得費用と、知財の経済的価値を区別する
- 知財と売上、利益、キャッシュフローとの関係を整理する
- 事業計画の前提と知財リスクの関係を確認する
- 売却、ライセンス、継続保有という選択肢を比較する
- 知財投資の継続、修正または中止に必要な情報を整理する
- 知財部門の成果を、経営に説明できる指標へ置き換える
- 自分の専門外の立場も踏まえて、知財と事業・財務の関係を説明する
対象者と開催方法
本研修は、企業の知財担当者・知財部門管理職を主な対象としています。
ただし、知財と事業・財務の関係を学びたい方であれば、所属部門を問いません。
主な対象者
- 知財部門の方
- 研究開発・技術部門の方
- 事業部門の方
- 経営企画部門の方
- 経理・財務部門の方
- 弁理士・特許事務所の方
開催方法
- オンライン研修
- 対面での社内研修
- 少人数のワークショップ
- 専門家団体・業界団体向け研修
- 講演
- 複数回の継続研修
参加者の知識、人数、目的に応じて、内容と難易度を調整します。
研修時間、内容、報酬及び対面開催時の交通費等は、個別にお見積りします。
知財とファイナンスの両方を、実務の言葉で解説します
研修は、株式会社知的財産権価値算定研究所代表の貝井英則が担当します。
公認会計士・税理士・証券アナリストとして、企業価値評価、M&A、財務デューデリジェンス、PPA及び知的財産権価値評価等に携わってきました。
知財担当者に経理担当者と同じ水準の専門知識を求めるのではなく、どの数字を確認し、事業部門や財務部門へ何を質問し、経営者へどのように説明するかという視点から解説します。
よくある質問
会計やファイナンスを学んだことがなくても参加できますか
はい。参加者の知識に応じて、利益とキャッシュフローの違いなど、基礎から説明します。事前にストーリー形式の教材を読むことで、研修で扱う場面をイメージしやすくします。
全15話を読む必要がありますか
必ずしも全話を読む必要はありません。単発研修では、研修テーマに応じて指定した話を読んでいただきます。全15話を使用するのは、総合研修や複数回研修が中心です。
事前課題は必須ですか
事前学習と事前コメントの提出を基本とします。ただし、講演形式、参加人数、準備期間などに応じて、事前課題を設けない構成にも対応します。
事前課題は試験ですか
試験ではありません。参加者の理解や問題意識を講師が把握し、当日の説明やディスカッションへ反映するためのものです。
自社の財務資料を提出する必要がありますか
すべての財務資料をご提出いただく必要はありません。研修目的に必要な範囲を事前に確認します。実額を使わず、比率、指数または加工した数値を使うこともできます。
自社情報を使用せずに演習できますか
はい。架空企業の事業計画、財務数値及び特許情報を使った演習に対応しています。
研修の中で特許の評価額を算定してもらえますか
研修内で理解と議論のための簡易的な試算を行うことはありますが、正式な評価額の算定や評価報告書の作成は含まれません。正式な評価が必要な場合は、知的財産権価値評価業務として別途対応します。
知財部門以外も参加できますか
はい。知財と事業・財務の関係を学びたい方であれば、所属部門を問いません。知財担当者だけでの受講にも、他部門の方を含む受講にも対応します。
知財を、経営と数字の言葉で考える研修をご提案します
研修形式が決まっていない場合も、ご相談いただけます。
お問い合わせの際に、次の内容を分かる範囲でお知らせください。
- 主な参加対象者
- おおよその人数
- 希望する研修時間
- 現在感じている課題
対象者、研修目的及び希望時間を伺い、適した研修内容をご提案します。
お問い合わせ後のご連絡は、原則としてメールで行います。事前打ち合わせやヒアリングは、オンラインを中心に実施しています。